別の色通しを混ぜ合わせると新しい色ができますよね。
今回はその「色を混ぜる」ということについて深く学んでいきます。
さて、ようやく直接的に色に関わる内容になってきましたね。
眼についてや照明について学習するより、こっちの方が覚えやすいかもしれませんね!
色を混ぜるとは?
2色以上の色を組み合わせて新しい色を生み出すことを混色(こんしょく)と言います。
例えば、絵の具の赤色と青色を混ぜて紫色を作るといったようなことです。
混色は大きく分けて、加法混色(かほうこんしょく)、減法混色(げんぽうこんしょく)の2つに分けられます。
加法混色について詳しく解説
加法混色にはいくつかの種類があり、同時加法混色(どうじかほうこんしょく)、併置加法混色(へいちかほうこんしょく)、継時加法混色(けいじかほうこんしょく)の3種類あります。
それぞれの混色にも特徴がありますので解説していきます。
同時加法混色
2つのライトを重ね合わせると、重なった部分は両方の光が当たるので明るくなります。
これを異なる色の光同士で行うと、その重なった部分は元の色よりも明るい別の色となります。
このような色光による混色のことを同時加法混色と呼びます。
同時加法混色ではR(赤)・G(緑)・B(青)の3色が元となっており、これを加法混色の三原色と言います。
加法混色ではこの3つの色の混合量を調節することで様々な色を作り出すんだよ!(図.1)
図.1を見ていただくと分かりますが、
R(赤)+G(緑)=Y(イエロー)
G(緑)+B(青)=C(シアン)
B(青)+R(赤)=M(マゼンタ)
R(赤)+G(緑)+B(青)=W(ホワイト)
となっており、いずれの混色も元の2色より明るくなっていることが分かります。
無彩色の白(ホワイト)はRとGとBで作ることができます。
つまり、
R(赤)+C(シアン)=W(ホワイト)
G(緑)+M(マゼンタ)=W(ホワイト)
B(青)+Y(イエロー)=W(ホワイト)
となります。
例えばC(シアン)はG(緑)とB(青)でできるので、そこにR(赤)を足すとR,G,Bの成分がすべて含まれるので無彩色の白ができます。
このように加法混色によって無彩色を作ることができる2つの色のことを補色(ほしょく)と言います。
色光を重ねる加法混色での黒色は、光がない状態のことになるよ!
併置加法混色
色のついた小さな点(色点)を高密度で並べることによって起こる混色を併置加法混色と言います。(図.2)
図.2の通りオレンジ色に見えている色は、拡大していくと実際には赤色と黄色のパターンになっており、オレンジ色ではありません。
このように複数の色が小さく細かく並んでいると、眼で見分けることができなくなります。
そうして網膜上で色どうしが混ざり合い、混色した色として認識されます。
併置加法混色では混色後の色の明るさは、元の色の明るさを足して平均化した明るさになるよ。
図.2の場合だと、赤色と黄色の中間の明るさになるよ!
継時加法混色
図.3を見ながら解説をします。
赤,青,黄の3色が塗られた円盤を高速で回転させると、それぞれの色とは異なる新しい色が見えてきます。
これを回転混色(かいてんこんしょく)と言います。
回転速度が遅いと眼で捉えることができ、赤,青,黄の3色を見分けることができますが、これが高速で回転することによりそれぞれの色を見分けることができなくなり1色に見えます。
このような高速で回転しそれぞれの色を眼で認識できず、その色どうしが混色して見えることを継時加法混色と言います。
継時加法混色も併置加法混色と同じで、混色後に見える色の明るさは、元の色の明るさを足して平均化した明るさになるよ!
減法混色について詳しく解説
色が異なる2枚のフィルターを重ねてみると、重なった部分は元の2枚のフィルターより暗い別の色に見えます。
このように光がフィルターを透過する時に、特定の波長の光を吸収して元の色よりも暗い色になる混色を減法混色と言います。
減法混色ではC(シアン:青緑)・M(マゼンタ:赤紫)・Y(イエロー:黄)の3色が元となっており、これを減法混色の三原色と言います。
加法混色にも元となる3色の色があったよね!
減法混色の3色と間違えないように注意してね。
減法混色の三原色C・M・Yはそれぞれ特定の波長を吸収します。
C(シアン)→長波長の光を吸収(R)
M(マゼンタ)→中波長の光を吸収(G)
Y(イエロー)→短波長の光を吸収(B)
減法混色ではこの3つの色の混合量を調節することで様々な色を作り出すんだよ!(図.4)
図.4を見ていただくと分かりますが、
C(シアン)+M(マゼンタ)=B(青)
M(マゼンタ)+Y(イエロー)=R(赤)
Y(イエロー)+C(シアン)=G(緑)
C(シアン)+M(マゼンタ)+Y(イエロー)=Bk(ブラック)
となっており、いずれの混色も元の2色より暗くなっていることが分かります。
無彩色の黒(ブラック)はCとMとYで作ることができます。
つまり、
C(シアン)+R(赤)=Bk(ブラック)
M(マゼンタ)+G(緑)=Bk(ブラック)
Y(イエロー)+B(青)=Bk(ブラック)
となります。
減法混色ではR(赤)はM(マゼンタ)とY(イエロー)を重ねてできるので、そこにC(シアン)を重ねるとC,M,Yを重ねていることになるので、全ての波長を吸収することになり黒に近い色に見えます。
このように減法混色によって無彩色を作ることができる2つの色のことを減法混色の補色と言います。
加法混色も減法混色も解説が似ている感じがするよね。
加法混色は光を足していってどんどん明るくなる。
減法混色は光を吸収していってどんどん暗くなる。
簡単に解説するとこういうことだから、この違いはしっかり覚えておいてね!
身近にある混色を見てみよう!
加法混色と減法混色は、私たちの身近なところでも活用されています。
その例をいくつかご紹介します。
カラーテレビやPCモニター
普段目にしているテレビの画面やパソコンのモニターでは、R・G・Bの小さな点がいくつも並んでいます。
このそれぞれの色点の明るさを調節し、様々な色を作り出しています。
これは、近くで見ると小さな点だが、離れてみるとそれぞれの点が混色して見えるので併置加法混色です。
赤色を表現するにはRのみ明るくしたり、黄色だとRとGを明るくしたり、こういったようにR・G・Bの明るさを調節して色を再現しているよ。
白色はRGBをすべて発光させ、黒色は何も発光させずに表現するよ!
カラー印刷
突然ですがプリンターのインクの交換をしたことはありますか?
交換をしたことのある方は知っていると思いますが、プリンターで使用しているインクはシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(Bk)の4種類ですよね。
これは減法混色の三原色にあたる色なので、カラー印刷は減法混色になります。
原理としては、網点(ドット)と呼ばれる小さな色点の大きさと配列で色を表現し、それらが白い紙の上で色フィルターの役割をはたすので減法混色になります。
またカラー印刷では、C・M・Y・Bkの4色に加えて、減法混色で出来た(図.4)R・G・Bと紙そのものの白色の計8色で様々な色を表現しています。
近くで見るとこの8色が細かく並んでいますが、離れて見るとそれぞれの色が混色して見えます。
ということは、併置加法混色も同時に起こっているということになります。
練習問題
最後にまとめ問題です。
それぞれの問いに答えてみましょう。
また( )に入る言葉を答えましょう。
答えは問題文をタッチすると表示されます。
お疲れ様でした。
練習問題は全問正解できましたか?
間違えた個所があればもう一度復習してみましょう!
減法混色は1種類だけなので覚えやすいと思いますが、加法混色は同時加法混色・併置加法混色・継時加法混色と3種類あるので、それぞれどのような原理で起こる混色なのかを間違えないように覚えておきましょう。
また、混色を応用した身近な例は他にもいろいろ存在するのでぜひ調べてみて下さい!
それでは次回も頑張っていきましょう。