【色彩検定3級】カラーコーディネートを深く学ぼう

色彩検定3級

前回はファッションにおいて色彩の考え方を学びました。

コーディネートではただ色を合わせるだけではなく、その素材やシルエットも含めたトータルで色彩を考える必要があるということを解説しました。

今回はカラーコーディネートについて解説していきます。

色相・トーンをどのように用いてカラーコーディネートをしていくのかを学習していきましょう。

ファッションにおけるトップとボトムの割合を考えよう

ファッションにおいては上半身を「トップ」、下半身を「ボトム」と呼びます。

このトップとボトムの配色バランスはコーディネートをする上で重要になってきます。

またトップとボトムを合わせた全体を見た時の色の面積比を変えることでメインとなるカラーが主張され、そのコーディネートにおける支配色がはっきりと強調されます。(図.1)

図.1でのコーディネートではベースカラーの面積が大きく、そのコーディネートでのメインとなるカラーがはっきりとしています。

ハト教授

図.1みたいにベースカラーをはっきりした方が良いという訳ではなくて、あくまでこういったコーディネートもあるよっていうことだよ!

またトップとボトムとの色合いがいまいちだった時に、トップとボトムの境目(ウエストあたり)に別の色を入れて、全体を引き締めたりすることをセパレーションと言います。(図.2)

図.2では両方ともトップは白色、ボトムはジーンズ生地で薄い灰色と青色というカラーコーディネートとなっています。

両コーデともベルトがセパレーションとして役割を果たしています。

このセパレーションがあることにより、トップとボトムに境界ができメリハリがついて全体的にまとまって見えます。

ハト教授

図.2で注目してほしい所が、両者ともコーディネートの構造自体は似ているよね。
トップスは一枚でしかも同じ白色だし同じジーンズだし。
でも雰囲気は全然違うと思わない?

同じトップでもシャツかタンクトップかで印象も変わるし、ボトムも同じジーンズでもショートかロングかでも変わるし、ベルトのデザインやモデルの表情も含めて印象が全然違うよね!

これがスタイリング(トータルコーディネート)ってことだよ!

ただ色を組み合わせたらいいってことじゃないことが分かるよね!

カラーコーディネート(色相編)

前の章で、配色を考えるときは色相を基準にして考えるのか、トーンを基準にして考えるのか、またはその両方かを決めて配色を考えると解説しました。

ファッションにおいてのカラーコーディネートでも同様に色相かトーンかその両方かを考えながらコーディネートをしていきます。

それでは色相を基準にしたカラーコーディネートを解説していきます。

ハト教授

もちろん色以外にも素材や小物も考える必要はあるけど、今回は「色」に注目して解説しているよ!

同一色相

同じ色相でのカラーコーディネートは、明度や彩度に変化をつけるだけで全体的にまとまり統一感のあるコーディネートとなっています。(図.3)

図.3ではトップ・ボトム共に青系でコーディネートされています。

セパレーションとして茶色のベルトを用いており、全体を引き締めています。

類似色相

類似色相でのカラーコーディネートは、色相に少しの差があるので少し変化を感じられるコーディネートとなります。(図.4)

ですが、あくまでも色相は近い系統になるので変化の中にも統一感があり、まとまりのあるコーディネートとなります。

左の写真では色相の変化も感じられつつも、全体的に暖色系でまとまりのあるコーディネートとなっています。

対照色相・補色色相

対照・補色色相でのカラーコーディネートは、彩度の高いトーンを用いるとコントラストが強く派手で目立つコーディネートとなります。(図.5)

しかし、コントラストが強すぎるとコーディネートとしてはなかなか着こなすのが難しくなります。

それを避けるために、どちらかの色の面積を小さくするなどの色の面積バランスを調整することや、トーンを低く抑えることが効果的です。

図.5では両方とも黄ー青の補色関係にある色相を用いており、左の写真は彩度が高く派手な印象になっています。

一方右の写真は同じ補色関係の色でも彩度が高すぎないため、変化もある落ち着いた印象になっています。

多色配色

様々な色相を用いたカラーコーディネートは、なかなか難しいコーディネートとなります。

色相をたくさん使用するので、統一感がなくまとまりずらいのでトーンをそろえてコーディネートをします。

また、赤色のトップ・青色のボトム・黄色のアウターのように複数のアイテムを別々の色にした場合、トーンを合わせていたとしてもなかなかコーディネートとしてはまとめにくいです。

多色配色でのカラーコーディネートでは、ワンピースなどの一枚の服に柄やプリントなどで多色を用いるパターンが多いです。(図.6)

図.6のように多色を使用する場合は、一つのアイテムに複数の色相を用いるようにするとコーディネートとしてまとめやすくなります。

カラーコーディネート(トーン編)

次はトーンを基準に考えた時のカラーコーディネートを解説していきます。

色相と比較してトーンを基準に考える場合は、明暗や濃淡がはっきりとしやすいのでカラーコーディネートも考えやすいと思います。

同一トーン

同一トーンでのカラーコーディネートは、トーンのもつイメージがそのまま伝わりやすいのが特徴的です。(図.7)

例えば似たようなコーディネートの場合、ペールトーンでコーディネートした時は優しい印象となり、ダークトーンでコーディネートした時は大人な印象になります。

このように同じデザインであっても、用いるトーンによってさまざまな印象に変えることができます。

図.7は両方ともドレスを着ているが、左側は黒色(無彩色)だが大人っぽい印象を受け、右側は可愛らしい印象を受けます。

このようにトーンが違うだけで印象も違ってきます。

ハト教授

白や黒、灰色もカラーコーディネートではよく使われるよ!

類似トーン

類似トーンでのカラーコーディネートは、合わせるトーンによっては明度と彩度に多少の変化があるので、少しのコントラストが生まれ、着こなしやすいコーディネートとなります。(図.8)

図.8はトップとボトムでトーン差があることで彩度と明度に変化が生まれ、派手過ぎないコントラストが印象的なコーディネートとなっています。

対照トーン

対照トーンでのカラーコーディネートは、合わせるトーンによっては明度差または彩度差が大きく色の強弱がはっきりと伝わってきます。(図.9)

このコーディネートはトーンに差を出すので、色相は同一色相や類似色相でなくてもカラーコーディネートしやすくなります。

図.9はトーンの強弱がはっきりしており、色のメリハリが印象的となっています。

左の写真は、コートに複数の色相が使われているがトーンを暗めにし、インナーのトーンを高くすることで全体的に調和のとれたコーディネートとなっています。

カラーコーディネート(色相・トーン編)

色相を基準としたカラーコーディネートの考えかた、トーンを基準としたカラーコーディネートの考え方を解説しましたが、ここからはその両方を考えてのコーディネートを解説します。

色相・トーンを単体で考えるコーディネートより少し複雑になりますが、より高いレベルのカラーコーディネートができるようになります。

ハト教授

カラーコーディネートを含め配色する時は、色相・トーン両方を考えながら配色していくのが一般的だよ!

同一色相・対照トーン

同一色相でのカラーコーディネートは、まとまりやすいのが特徴的ですが、コーディネートが単調になる場合が多くなります。

そこで変化をつけるために対照トーンを用いることで、統一感がありつつ変化もつけれるので、よりおしゃれな着こなしができます。(図.10)

図.10はイエローベースの明るいトーン・暗いトーンを組み合わせており、色のまとまりがありつつも明暗がはっきりと変化のあるコーディネートとなっています。

対照色相・同一トーン

高彩度の対照色相だとコントラストが強すぎるが、トーンを低彩度などに統一するとコントラストを少し抑えながら派手過ぎす地味過ぎないコーディネートにすることができます。(図.11)

当然中~高彩度に上げていくにつれ、派手さを増すコーディネートにもすることが可能です。

図.11は対照的な色の組み合わせになっているが、トーンの彩度を抑えているのでコントラスが強すぎず落ち着いたコーディネートとなっています。

対照色相・対照トーン

対照・補色色相はファッションにおいてはよく用いられており、そこに対照トーンを合わせることでより変化のあるコーディネートとなります。

低~中彩度領域のトーンを対照トーンとして用いることで、派手さを抑えながらも変化の多いコーディネートとなるので、うまく組み合わせるとおしゃれな着こなしができます。(図.12)

図.12は対照的な色相を組み合わせており、トーンの彩度・明度も少し高めなのでコントラスがはっきりおり目立つコーディネートとなっています。

pトーンとdkgトーンのような低彩度同しの対照トーンにすると、もう少し派手さを抑えることができます。

ハト教授

高彩度・高明度でのコーディネートは外でも目立つから勇気のいるコーディネートだよね。

落ち着いたコーディネートにしたい時はトーンを抑えることがポイントだよ!

練習問題

今回の章での練習問題はお休みです。

今回は様々なカラーコーディネートを解説しました。

ファッションはとても身近な存在であり、服を着る時には必ずコーディネートを考えると思います。

その時に今回学んだカラーコーディネートの知識を活かすことで、よりおしゃれなコーディネートができると思います。

また知識だけあっても、いざコーディネートをしようとしてもなかなか難しいものです。

おしゃれなコーディネート・カラーコーディネートをするためには、たくさんのコーディネートを見ることも勉強になります。

そこで最後に様々なコーディネートの画像を用意しました。

下の画像を見て色の組み合わせによる見え方、受ける印象やコーディネートとモデルの雰囲気がマッチしているかなど色々と見て、感じて、ファッショセンスを磨きましょう!

いかがだったでしょうか。

こうしたコーディネートを見ることで自分自身のセンスも磨かれていくので、日常でも他の人のコーディネートに少し目を傾けてもいいかもしれません。

それでは次回も頑張っていきましょう!