【色彩検定3級】色を見るために必要な「光」について深く学ぼう

色彩検定3級

私たちが色を見るためには光が必要です。

そこでこの章では、光とはそもそも一体何なのかや光と色の関係性などの、光についての詳しい知識を学習していきます。

この「光と色」の関係性は色彩検定3級の一番初めに学習するところですが、結構理科よりな項目になっているので、とっつきにくいと思いますが頑張って乗り切っていきましょう!!

この章が終われば配色などのもっと色について直接的な馴染みやすい項目が待っているので頑張て行きましょう!

色が見えるメカニズム

私たちは日常生活を過ごす中で様々な色を見ています。

しかしなぜ色が見えているのか考えたことはありますか?

難し質問だと思いますが、色彩学を学んでいくうえで最も大事で基礎的な部分になります。

結論から申し上げると、「光源(こうげん)」「物体(ぶったい)」「視覚(しかく)」の三つの要素で我々は色を認識しています。(図1)

ハト教授

光源とは光を発するもののことで、太陽や照明などのことを指すよ

例えば外で赤いリンゴを見たとしましょう。

太陽(光源)の光がリンゴ(物体)に当たり、その反射した光が我々の眼(視覚)に入り、その情報を脳で処理してリンゴの色(赤色)を認識しています。

これが夜になり暗闇に包まれるとリンゴの色は感じ取れないでしょう。

暗闇になったことで光源を失い、リンゴに光が当たらず故に色を感じ取れなくなるのです。(図2)

ハト教授

この例では真っ暗闇の場合の話で一切光がない状況のことを言っているよ。

もし月が出て月明かりがあれば、うっすらと色を感じ取れるよ!

光っていったい何?

先ほど色を見るためには光が必要だと解説しました。

では、その光とはそもそも何なのでしょうか?

ズバリ光とは電磁波(でんじは)の一種です。

電磁波は電気と磁気のエネルギーが波となって空間を伝わっています。

とは言っても電磁波は目には見えないので想像しにくいと思いますが、他のものに例えると水面に物を落とした時に出る波紋のようなイメージです。

このような感じで光も空気中を振動しながら進んでいきます。

電磁波の表し方と身近な電磁波

電磁波は振幅(しんぷく)波長(はちょう)で表すことができます。(図3)

上の図を参考に、

振幅とは波の高さのことを言います。
これは波の大きさを表しています。

波長は波の山から山までの長さのことを指します。
これは波の周期的な変化を表しています。

波長の単位はnm(ナノメートル)で表します。

電磁波には様々な種類があり、波長の長さによって呼び名が変わってきます。

例えば、

  • スマホなどの携帯に利用されている電波
  • レントゲン撮影に使われるエックス線
  • お肌の天敵ともいわれる紫外線
  • 熱を感じる赤外線

などで、これは上にも書いていますがすべて電磁波の一種で各々波長の長さが違います。

ハト教授

色彩というよりかは理科の授業だよね。

なかなか覚えずらいと思うけど、電磁波とは振幅と波長で表せるよ~単位はnmだよ~、とこの二つは頭に入れておいてね!

人間が感じ取れる光

前章で電磁波には様々な種類があると説明しましたが、その中で人間の眼が感じ取れる電磁波を可視光(かしこう)と呼びます。(図4)

ハト教授

紫外線や赤外線は見えないから可視光ではないね!

また人間の眼で感じ取れる波長範囲は約380~780nmでこの範囲を可視範囲(かしはんい)と呼びます。

この可視範囲は3つに分かれており、約380~500nmを短波長約500~600nmを中波長約600~780nmを長波長と言います。

可視範囲内は我々は感じ取ることができますが、逆に可視範囲外は人間の眼では感じることができません。

ハト教授

図4を見てわかる通り、波長が長くなるほど赤みが強くなり、逆に波長が短くなるほど青みが強くなるよ!

この波長の長さと色の関係性はよく覚えておいてね!

太陽光を詳しく知ろう

太陽から出る可視光は、いくつもの波長の光が集まってできています。

このような複数の波長を含む光のことを複合光(ふくごうこう)と言います。

その中で複数の波長の光がほぼ均等に集まった光を白色光(はくしょくこう)と呼びます。

白色光は色味を感じさせない光で、昼間の太陽光が例に挙げられます。

そしてこの複数の波長でできた白色光を、ガラスで作られた三角柱のプリズムと呼ばれるものに通すと、複数の波長が各々に分かれ、鮮やかな色彩の光の帯が現れます。


この現れた光の帯のことをスペクトルと言います。

この分かれて出てきた単一の波長は単色光(たんしょくこう)と呼ばれます。

このように光を波長ごとに分けることを分光(ぶんこう)と言います。

ハト教授

複数の波長を含む光は複合光、波長を分けることを分光のように、ここで出てきた単語は漢字を見れば意味も連想しやすいので深く考えずに覚えよう!

ハト教授

光はプリズムに入るときに屈折して、また出る時にも屈折するからこうして単色の光に分けることができるんだよ。

また波長の長さによって屈折する角度(屈折率)も変わってくるよ!

光と屈折の関係は次の章で詳しく解説があるからその時覚えてね!

分光分布って何?

分光分布(ぶんこうぶんぷ)とは、光を波長ごとに分け、その光の強さの関係を表したグラフです。

グラフの縦軸は波長が持つ光の強さを表しており、横軸が波長の長さを表しています。

分光分布は可視範囲内(380nm~780nm)で表されることが一般的です。

このグラフを見ることで、その光の各々の波長(380nm~780nm)の光がどのくらいの強さで含まれているかが一目でわかります。

ハト教授

図5の太陽光の分光分布を見てみると、可視範囲内の波長がほぼ均一に含まれているのが分かるね。

前章でも書いてあったけど、複数の波長の光がほぼ均等に集まった光は色味を感じないんだよ!

練習問題

最後にまとめ問題です。

それぞれの問いに答えてみましょう。
また( )に入る言葉を答えましょう。

答えは問題文をタッチすると表示されます。

色を見るための3つの要素は何でしょうか。
【答え】光源・物体・視覚
光とは電気と磁気のエネルギーが波となって空間を伝わっていく( )の一種です。
【答え】電磁波
電磁波は(➀)と(➁)で表すことができ、また(➀)の単位は(➂)です。
【答え】➀波長.➁振幅.➂nm(ナノメートル)
人間の眼で感じ取れる波長範囲をなんと呼びますか。またその範囲はどのくらいですか。
【答え】可視範囲・380nm~780nm
人間の眼が感じ取れる電磁波をなんと呼びますか。
【答え】可視光
複数の波長を含む光を(➀)と呼び、単一の波長の光を(➁)と呼びます。また(➀)を(➁)に分けることを(➂)と言います。
【答え】➀複合光・➁単色光・➂分光
太陽光のような複数の波長がほぼ均一に含まれている光を何と呼びますか。
【答え】白色光
三角柱の(➀)に白色光のような複合光を通して分光をし、その際にできる光の帯を(➁)と呼びます。
【答え】➀プリズム・➁スペクトル

お疲れ様でした。

練習問題は全問正解できましたか?

間違えた個所があればもう一度復習してみましょう!

この光と色のテーマは色彩というよりは理科のような感じで覚えづらく、ここで挫折して色彩検定3級をあきらめてしまう方もいるかもしれません。

ですが、3級の全分野の内の1割2割程度なので、ここが踏ん張り所です!

ぜひ頑張って乗り切ってください!!

僕も皆さんの力になれるように分かりやすく解説していきますので、引き続き共に勉強していきましょう!