【色彩検定3級】「光」が持つ性質や特性を学ぼう

色彩検定3級

今回も前回に引き続き「光」をメインに学習していきます。

ここでは光の性質や光が持つ特性など解説していきます。

特に光の特性は複数あり覚えるのが大変かと思いますが、頑張っていきましょう。

最後には練習問題も用意していますので、ぜひチャレンジしてみて下さい。

光の性質を知ろう

皆さんは太陽の光に鏡などを当てて光を反射させて遊んだ経験はないでしょうか?

他にもサングラスをかけると、太陽の光も眩しさが軽減されます。

このように光はなにかしらの物体に当たると、物体の表面で反射・吸収・透過(とうか)のいずれかの現象が起こります。(図.1)

本や机などの光を通さない物体では光は反射するか吸収されます。

またその逆でガラスなどの透明な物体に光を当てると光は吸収されるか透過されます。

物体の色の見え方の原理

太陽光のもとで白く見える物、黒く見える物、赤く見える物を例に考えてみましょう。

不透明な物体の場合、白く見える物は太陽光から出た光のうち、可視範囲内のほぼ全ての波長の光を反射しています。
その反射した光を我々の脳が処理し、そして白色と認識しています。(図.2)

同様に黒く見える物は可視範囲内のほぼ全ての波長を吸収し黒く見え、赤く見える物は可視範囲内の長波長(赤色)の光を多く反射し、それ以外の波長は吸収するから赤く見えます。

このように不透明の物体は可視範囲内の波長をどの程度反射・吸収するかで、色の見え方は違って見えます。

ハト教授

黒い物体はほぼ全ての波長を吸収しているとはいえ、多少は光を反射しているんだ。
だからその物体の形や質感などを私たちは認識できているんだよ。

でも、光の99.9%以上を吸収する「ベンタブラック」という物質は完全な黒と呼ばれているんだ!
興味があったら調べてみてね!

透明な物体の場合、赤く見える物は可視範囲内の長波長を多く透過し、それ以外の波長は吸収されるので赤く見えるのです。

このように透明な物体は可視範囲内の波長をどの程度透過・吸収するかで、色の見え方は違って見えます。

各色の光の反射率をグラフ化してみよう

前章でもわかる通り、物体にはそれぞれどの波長を反射(もしくは透過)するのか、どの波長を吸収するのかという特性があります。

その特性をグラフ化したものを分光反射率曲線(ぶんこうはんしゃりつきょくせん)、透過の場合は分光透過率曲線(ぶんこうとうかりつきょくせん)といいます。

このグラフを見ることで、その物体の色を読み取ることができます。

ハト教授

グラフの縦軸は反射率(もしくは透過率)を表し、横軸は可視範囲を表しているよ。

ハト教授

図3ではカラーで表示されているけど、色を使わずに表示されている場合もあるよ。

グラフを見て何色を表しているかすぐ分かるように覚えておいてね!

反射の種類

反射には正反射(せいはんしゃ)拡散反射(かくさんはんしゃ)があります。(図.4)

正反射とは、入ってきた光と反射した光の角度(入射角と反射角)が等しい反射のことを言います。

拡散反射は、入ってきた光が様々な方向に反射することを言います。

実際の物体には正反射も拡散反射も混在しており、この反射の仕方によって物体の質感や光沢といった物の見え方に影響しています。

ハト教授

艶や光沢があるもの程正反射していて、逆に艶のないマットな質感なものは拡散反射しているんだ!

透過の種類

透過にも正透過(せいとうか)拡散透過(かくさんとうか)があります。(図.5)

透明なガラスは入ってきた光がそのまま出ていくので正透過しており、曇りガラスなどは入ってきた光があらゆる方向に出ていくので拡散透過しています。

水の中にある物はズレて見える?

光が空気から水、空気からガラスといったようにある物質から違う物質に進むとき、その境界面で進行方向が変わります。(図.6)

この現象を屈折(くっせつ)と言います。

ハト教授

ただし、まっすぐ光が入ると屈折はせず、光は直進するよ!

光の干渉

干渉(かんしょう)とは、複数の波が重なり合うことによって新たな波ができる現象のことを言います。

同じ波長をもつ波の山と山、もしくは谷と谷が重なり合ったとき、山の高さあるいは谷の深さが2倍になります。

また、山と谷がぴったり重なりあった場合、山の高さが0になります。(図.7)

ハト教授

山と山が重なり、山の高さが2倍になると明るく見えるよ!


山と谷が重なった時は、山の高さが0になるから暗く見えるよ!

ハト教授

光の干渉が起きている身近なものにシャボン玉があるよ!
シャボン玉の表面がキラキラと虹色に見える時があるよね。

シャボン玉に太陽光が当たると、シャボン玉の膜の表面で反射される光と、膜の内側に入りその底面で反射する光があって、各々反射した光が重なることで干渉が起きているよ!

同じ波の光が重なって(山と山)明るく見えるので、シャボン玉の表面に色が現れているんだよ!

小さな隙間から出る光はどうなる?

水面の波が障害物に当たったり、小さな隙間を通り抜けた後にその先で半円を描くように広がって進む現象を回折(かいせつ)と言います。

光も波の性質があるので、同じような場合で回折します。

光が回折するときは、障害物や隙間の大きさが光の波長と同じくらいか小さい時に起こります。

また微小な凸部分で反射した光も、回折を起こし半円状に広がっていきます。

ハト教授

水だと実際に広がっていくのが見えるから、回折しているのが分かりやすいね!

空が青いのはなぜ?

光は大気中のちりや水滴などの細かい粒子に当たると、様々な方向に散らばります。

これを散乱(さんらん)と言います。

大気中の塵や微粒子が光の波長より十分に小さい場合、短波長(青い光)の方が散乱されやすく、長波長(赤い光)は散乱されにくいです。

光の散乱の影響により、昼の空は青く見えて、夕方は赤く見えます。

ハト教授

日が暮れるにつれて太陽も遠のいていくから、短波長が地上に届かなくなり長波長が地上に届き夕方は空が赤くなるよ!

練習問題

最後にまとめ問題です。

それぞれの問いに答えてみましょう。
また( )に入る言葉を答えましょう。

答えは問題文をタッチすると表示されます。

光は物体に当たると、物体の表面で(➀)・(➁)・(➂)のいずれかの現象が起こります。
【答え】➀反射・➁吸収・➂透過
物体が光の成分をどのように反射もしくは透過するかという特性をグラフ化したものを(➀)、透過の場合は(➁)といいます。
【答え】➀分光反射率曲線・➁分光透過率曲線
光がある物質から違う物質に進む時に、その境界面で(➀)が起こり進行方向が変わります。
【答え】➀屈折
光がもつ波の性質の中で、複数の波が重なり合うことで新しい波ができる現象を何と言いますか。
【答え】干渉
光の回折の説明として正しい方はどちらでしょう。
a.光が波長より小さい隙間を通過すると回折が起こり光は広がって進みます。
b.光が波長より大きい隙間を通過すると回折が起こり光は広がって進みます。
【答え】a
光が大気中の塵などに当たり、様々な方向へ散らばる現象を何といますか。
【答え】散乱

お疲れ様でした。

練習問題は全問正解できましたか?

間違えた個所があればもう一度復習してみましょう!

光には様々な特性がありましたね。

どのような現象が何と呼ばれているか、間違って覚えないように定期的に復習もしてみて下さい!

学習お疲れさまでした!