前回、配色をする時は主に
・「色相を基準にして作る配色」
・「トーンを基準にして作る配色」
・「色相とトーンを合わせて作る配色」
の3つを基本として配色を作るということを学びました。
今回はその中で「色相を基準とした配色」について詳しく学習していきます。
色相を基準にした時の配色の考え方
色相を基準に配色を作るときは、使用する色の色相差がどのくらいかを考えて色を組み合わせます。
「【色彩検定3級】PCCSの基礎を学ぼう」でPCCSは24色相で構成されていると解説しました。
そしてこの24色相にはそれぞれ色相番号がありましたよね。
ここで言う「色相差」とは、この色相番号の差のことを指します。(図.1)

例えば赤と黄の場合、赤は「2:R」黄は「8:Y」で、色相番号はそれぞれ2と8なので色相差は「6」となります。
また、「1:pR」(紫みの赤)と「24:RP」(赤紫)の色相差は「23」とはならず「1」です。
これは色相環上では色は一周しているので、「1:pR」と「24RP」は隣同士にあり色相差は「1」となるわけです。

色相環上で反対の位置にある色同士(補色)が最も色相差があることになるよ!
「2:R」と「14:G」や「8:Y」と「20:V」などだね。
つまり色相差は最大でも「12」までになるよ!
この色相を基準にした配色では大きく
「色相に共通性がある配色」
「色相にやや違いがある配色」
「色相に対照性がある配色」
の3つに分類されています。(図.2)


色相を基準に配色を作る際は、低彩度同士の配色より高彩度同士の配色の方が色を組み合わせた時に効果を感じやすいよ!
色相に共通がある配色とは
色相に共通がある配色というのは、組み合わせる色同士の色相差がない、もしくは色相差が小さい配色のことを言います。(色相差0~3)
このような配色には
同一色相配色(どういつしきそうはいしょく)
隣接色相配色(りんせつしきそうはいしょく)
類似色相配色(るいじしきそうはいしょく)
があります。
では、これらを詳しく解説していきます。
同一色相配色
同一色相配色とは、組み合わせる色同士の色相差が「0」である配色です。
つまり同色での配色となります。(トーンは自由)(図.3)
同色同士での配色となるわけですから、まとまりを最も強く感じることができる配色になります。
また同色での配色となるので、色相の持つイメージをダイレクトに伝えることができる配色でもあります。


PCCSでは無彩色と有彩色を組み合わせた配色も、同一色相配色として分類されているよ!(図.3)
隣接色相配色
隣接色相配色とは、組み合わせる色同士の色相差が「1」である配色です。
隣接色相配色も、組み合わせる色相が似ているので統一感が比較的強くまとまった配色になります。(図.4)


色相差が「1」なので色相番号が奇数と偶数の色の組み合わせになるんだ。
そして試験で使われる「新配色カード199a」では奇数番号の色相はvトーンにのみ用意されているよ!
だから色彩検定3級で隣接色相配色を考える時は、奇数番号の色はvトーンで配色してね!
類似色相配色
類似色相配色とは、組み合わせる色同士の色相差が「2または3」である配色です。
類似色相配色は、組み合わせる色同士の色みが似ているので、まとまりがありつつ色相の違いも感じられる配色になります。(図.5)


同一色相配色、隣接色相配色、類似色相配色の3つはそれぞれ色相差がどのくらいなのかをしっかり覚えておいてね!
色相にやや違いがある配色とは
色相にやや違いがある配色というのは、組み合わせる色同士の色相にまとまりがあまり感じられず、色相の対照性がやや感じられる配色です。(色相差4~7)
こういった配色は
中差色相配色(ちゅうさしきそうはいしょく)
と言います。
では、詳しく解説していきます。
中差色相配色
中差色相配色とは、組み合わせる色同士の色相差が「4~7」である配色です。
色相差が小さい(4に近い)ほど色相に共通性がややあり、色相差が大きい(7に近い)ほど色相に対照性がやや感じられます。(図.6)
”中差”色相配色なので、色相の統一感やまとまりはあまり感じない配色になり、そして色の変化や対照性も小さい配色になります。


色に変化をつけいたけどそこまで目立つ配色にしたくない、というような場合には中差色相配色はうってつけだね!
色相に対照性がある配色とは
色相に対照性がある配色というのは、組み合わせる色同士の色相にまとまりが感じられず、色相の違いが大きく感じられる配色です。(色相差8~12)
このような配色には
対照色相配色(たいしょうしきそうはいしょく)
補色色相配色(ほしょくしきそうはいしょく)
があります。
では、詳しく解説していきます。
対照色相配色
対照色相配色とは、組み合わせる色同士の色相差が「8~10」である配色です。
色相に共通性がないため統一感が感じられない配色となります。
そのため色相の変化は大きくなり、色相差がはっきりと感じられます。(図.7)


対照色相配色では、色相差によって「暖色と中性色」・「暖色と寒色」「中性色同士」などバラエティー溢れる配色を作ることができるよ!
補色色相配色
補色色相配色とは、組み合わせる色同士の色相差が「11または12」である配色です。
こちらも色相に共通性がないため統一感が感じられない配色となります。
そして色相の変化は最も大きく、補色であるから彩度の高い色同士では色相差も最も強調されます。(図.8)


補色だからといっても、「高彩度同士」か「低彩度同士」のように彩度の違いによっても見え方の印象はガラリと変わるよ!
低彩度だと補色同士の配色でも、そこまで派手さ、インパクト感は感じられないね!(図.8)
練習問題
最後にまとめ問題です。
それぞれの問いに答えてみましょう。
また( )に入る言葉を答えましょう。
答えは問題文をタッチすると表示されます。
お疲れ様でした。
練習問題は全問正解できましたか?
間違えた個所があればもう一度復習してみましょう!
今回は色相を基準とした配色を学びました。
同一色相配色や補色色相配色のように、組み合わせる色の色相差によって名称も変わってきます。
色相差が「0」の場合は同一色相配色、色相差が「7」の場合は中差色相配色のように、どの色相差がどの配色になるのかをしっかり覚えておいてください。
そしてそれぞれの配色の特徴も理解しておくと、実際に配色を作るときの参考になります。
なのでしっかり理解できるように復習もしておきましょう!